
父は裁判所で働いていました。母は病院で働いていました。子どもの目には、毎朝決まった時間に出かけ、夕方に戻ってくる大人の姿として映っていました。仕事の中身を理解していたわけではありません。ただ、毎日続けているということは、知っていました。
誰かのために、続けること
裁判所も病院も、誰かの困りごとや痛みに向き合う場所です。感情だけでは動けない。手順を守り、時間をかけ、役割を果たす。子どもの頃は、そういうことの意味まで考えていませんでしたが、その姿を日常として見ていました。
大げさなことは言いませんでした。仕事の話を詳しく聞かせてくれるわけでもありませんでした。でも、毎日続けていた。そのことが、当たり前の景色として自分の中に入っていた気がします。
今になって思うこと
経営管理や業務改善の仕事を選んだこと、地域に関心を持っていること。それがどこから来ているか、あらためて考えると、両親の背中が影響しているのかもしれないと思います。
決してかっこいい仕事ではなかったかもしれません。目立つ仕事でもなかったかもしれない。それでも、誰かのために続けるということ。約束を守ること。自分の役割を果たすこと。そうした姿勢が、気づかないうちに自分の中に入っていたのだとすれば、それはとても大切なものを受け取っていたのだと思います。
月夜野で、受け取ったもの
両親も、祖父母も、その前の世代からも、みなかみ町に縁を持つ家系です。月夜野という場所で、誰かのために働く姿を見て育ちました。特別なことを教わったわけではありません。ただ、その積み重ねが、自分の中にある。そのことを、大人になってから少しずつ感じています。
子どもの頃には気づかなかったことがあります。大人になって振り返ると、受け取っていたものの大きさに気づきます。その恩返しを、仕事や地域との関わりの中で少しずつ返していけたらと思っています。