
みなかみ町月夜野で生まれ、18歳まで育ちました。山の形も、川の流れも、通学路の景色も、まだ覚えています。子どもの頃の記憶は、今も自分の中に残っています。
でも、地元を離れてから、もうずいぶん時間が経ちました。覚えていることと、今そこで暮らしている人が感じていることは、おそらく違います。記憶は古く、地域は今も動いています。
記憶は、今の答えにはならない
「あそこはこういうところだ」という記憶を持つことは、自然なことです。でも、その記憶を根拠に、今の地域について決めつけてしまうのは、別の話だと思っています。子どものころに見えていた景色と、大人になって見える景色は違います。当時は気にも留めなかったことが、今になって大切に見えることもあります。
昔の良さを知っているからこそ、今の現実から目をそらしたくなることもあります。でも、懐かしさだけで地域のことを語ることは、そこで今を生きている人への敬意を欠くことにもなりかねないと思っています。
だから、もう一度聞くことから始める
みなかみ町について考えるとき、自分の記憶を出発点にすることは避けたいと思っています。代わりに、今そこで暮らしている人、働いている人、地域を支えている人の声から始めたい。その声の中に、今のみなかみ町があると思っています。
「知ったつもり」は、時として、人の話を聞く機会を奪ってしまいます。自分が正しいと思っているときほど、相手の声が届きにくくなる。そのことを、仕事の現場でも感じてきました。地域に関わるときも、同じだと思っています。
まず声を聞かせてください
このサイトで声を集めているのも、そういう理由からです。みなかみ町について感じていること、気になっていること、大切にしたいもの。どんな小さな声でも、受け取りたいと思っています。
知ったつもりで語らないこと。それが、月夜野で育った一人として、今の自分ができる最初の誠実さだと思っています。