Personal Note 18

人生を変えた一言

「大学で研究してみてはどうだ」。その一言が、ずっと頭の中に残っています。

資料やノートを読みながら地域を記録するイラスト

西部邁先生と話す機会がありました。今から思えば、ずいぶん昔のことです。自分がまだ若く、何かを学びたいという気持ちだけはあっても、方向が定まっていなかった頃のことです。

先生はそのとき、多くのことを話されていました。自分には全てを理解する力もなく、どこか遠くから聞いているような感覚でした。それでも、その場に居合わせられたことが、何か大切なことだという気はしていました。

言われた日のこと

「大学で研究してみてはどうだ」という言葉は、突然でした。自分の話をしていたときに、先生がそう言いました。驚きました。そんな選択肢を、それまで真剣に考えたことがなかった。

研究というものが、自分に向いているかどうかはわかりませんでした。ただ、そう言ってくれた人がいたということは、自分の中に何かを見てくれたのかもしれないという気がしました。いや、それも思い込みかもしれません。

違う道を選んだけれど

結局、大学で研究する道には進みませんでした。実務の世界へ入り、現場で学ぶことを選びました。経営管理、業務改善、実務整理。そういった仕事の中で、自分なりの積み重ねを続けてきました。

でも、あの一言は消えませんでした。「研究する」という言葉の意味を、それから何年も考え続けた気がします。問いを持ち続けること。調べること。整理すること。形にすること。それは、大学に行かなくてもできることで、実務の中にもある。そのことを、自分なりに考えてきました。

人生を変えた、というより

「人生を変えた」と言うと、大げさかもしれません。あの言葉がなくても、今の自分はそれほど変わっていなかったかもしれない。でも、何かの節目に思い出す言葉として、ずっと自分の中にあります。

誰かから投げかけられた言葉が、長く残ることがある。それだけのことかもしれませんが、それだけのことで、人は少し変わることがあるとも思っています。

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